反省しない人を助長するSNS
住宅とは全く関係ないが、SNSがこうして人の成長を妨げるのか~、という場面を目撃したので記しておこうと思う。まだスーモ編集部にいたころの話だ。他部署から移動してきたメンバーが前部署でつきあいのあったフリーランサーAさんに仕事を依頼した。ところが、そのメンバーはなにかとゆるくて、業務が回らなくなりかけていたので、その仕事を他のベテラン編集部員Bに巻き取ってもらったのだ。すると、類は友を呼ぶのか、Aさんも仕事がゆるかった。仕事を巻き取ったBは極めて優秀で、常日頃、編集部から依頼している他のどんなフリーランサーともうまくやっていたし、信頼も得ていたのだが、Aさんのゆるさに珍しく締め切り遅れを発生させてしまったのだ。というのも締め切り前日あたりから、Aさんに連絡がつかなくなり、そのまま締め切りを過ぎても原稿がこなかったからだ。そんなこんなで遅れて入稿したのだが、Bは、原稿が遅れる連絡もよこさず電話にも出なかったAさんに、当然のことだが、注意をした。「今回のような進め方をされると次から仕事を頼みにくくなる」とクギを刺したのだ。
このゆるいAさんは、実はリクルートのOBで私は昔の接点からフェイスブックでつながっていた。そしてBがAさんに注意をした日の夜、さっそくAさんのつぶやきがUPされたのを私は目撃した。文言は正確には覚えていないが
「今仕事をしている編集部の担当から、“あなたの代わりはいくらでもいる”って言われてショックだ。落ち込んだ」
的なボヤキだ。事実がややねじ曲がっている。Bはそんなことは言っていないが、勝手に意訳したのだろう。それだけでなく、そもそもなぜそのようなことを言われたのか、原因や経緯が全く書かれていない。さすがに編集部の具体名までは買いてないが、自分の非は完全に棚上げ。で、問題なのはここからだ。
レス欄が、同情、慰め、のコメントのオンパレードになっていたのだ。
「今時そんなひどいこと言う人がいるんだ」「そいつサイテーだな」「信じられない!」
Aさんは、確信犯的に連絡を絶つことで原稿遅れを乗り切ろうとするような人なわけで、たぶん、そういうやり方をしたのは初めてではないだろうから、もともと反省しない人なわけだ。そこにこのコメントが寄せられたら、反省するきっかけもなくなってしまう。
経緯を知る身としては、同情しているヤツは何もわかってない!と腹立たしいところはあるが、正直FBのつぶやきを深読みしてコメントする人なんて、そうそういないから、これがSNSが反省しない人間を助長する仕組みなのだと理解するしかない。
自分ができることは、個人的なボヤキUPには、安易に同情コメントをしないこと。
そのほうが、きっとボヤキ主のためになるはずだ。
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