超低金利なのに、ローン借り換えをためらう心理

長期金利がー0.26%まで下がってて、底なし沼状態。つられて住宅ローン金利もほぼ限界まで下がっていて、ここまで低いとローンの借り換えを考えたくなる。自分自身は住宅ローンの借り換えを3度経験し、3度とも悪くない結果を得た。手続きに多少の面倒さはあるが、ほんの一時のこと。今になってみれば割と高めの金利で借りていると思う人は即借り換えたほうがいい。たとえば、ほんの2、3年前に固定金利のフラット35を借りた人などは、おそらく借入金利は2%前後のはず。借入残高が3000万円前後あるとしたら、単純計算で利息を年間60万円くらい払っていることになるが、0.5%の変動型に借り換えれば年間15万円で済む。借り換えにかかる費用は浮いた利息ですぐに取り戻せるし、何より金利が下がると月々の返済は減額されるのに元金返済は早く進むのが最大のメリット。お金のプロでも意外に意識できていない人が多いが、ローンのリスクというのは、残高の減りに応じてどんどん小さくなる。2%と0.5%では元金の減るスピードが全然違うから、いまの低金利が5年も続けば、5年後には変動に借り換えたほうが元金が大幅に減っていて、固定を借りたままよりその時点での将来リスクははるかに小さくなっている。と、メリットが大きい借り換えなのに、ためらう人が少なくない。理由の第一声は、一時の手数料がもったいないとか、忙しくて手続きが面倒とか。自分の経験から、これまで借り換えを勧めた人は数えきれないほどいるが、実際に行動に移した人はおそらく10人に1人もいない。そんなにみんな忙しいか? 30万円程度の手数料を用意できないほどみんな貯金してないのか? それとも自分の説明が下手だったか? いやいや、実行しない彼らの話をよくよく聞くと、どこかで「自分の選択が間違いであるはずがない」と思っているフシが見え隠れする。それまでの人生で最大の数千万円単位のお金を借りるにあたり、自分が選択を誤ったとは認めたくないのだ。気持ちはわからなくはない。でも、住宅ローンに限らず世界の金融環境はどんどん変化している。しかも、ある一方向に不可逆的に。当時の選択を誤ったのでなく、時代に時代に最適な選択に乗り換えていくほうが賢明だと、まだ行動に移せていない人には強くアドバイスしたい。

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