続・長期金利0%の壁

7月終わりに-0.3%目前の過去最低まで下がった長期金利が反転急上昇したとき、0%の壁は簡単には超えられないと予想したが、8月半ばをすぎてまさしく予想通りの展開になっている。昨今、財政出動を積極的に唱える声が増えてきていて、実際に国債増発となれば国債価格が下がって長期金利がもう一段上昇する可能性はある。ただ、30兆円弱規模の経済対策といいつつ、真水(財政出動の純増分)は3兆円程度との声もあり、そうなるとリーマン後の麻生政権で投入した真水の半分以下でしかない。当時ですら中長期的な長期金利の低下トレンドが変わることがなかったことを考えると、秋の経済対策で一時的な金利上昇はあるかもしれないが、結局、壁に跳ね返されながらずるずる下がるトレンドを脱することはできない可能性が高い。もっと大胆な真水投入がなされると話は変わってくるけれど、現政権ではそうはいかないだろう。

住宅ローン金利も9月、10月あたりに一時的に上昇する可能性はあるが、その動きをもって安易に「金利の先高感」と解釈することなく、他の経済指標も見ながら冷静に見極めたい。

※長期金利推移(終値) 出所:日本相互証券

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