トランプ勝利とBrexitは同じ匂いがする
トランプ勝利のニュースが騒がしい。トランプが反TPPを掲げているので、日経や産経などのTPP推進派報道機関は、やれ保護主義が台頭する~とか、TPPとん挫で日本経済がダメになる~とか、危機をあおりまくっておる。なんかデジャヴ感があると思ってたら、6月のBrexitのときもそうだった。イギリスがEUというヒト・モノ・カネの移動を自由化した地域グローバルから離脱するということで、反グローバルだ~とメディアが騒いだ。株価も似たような動きだ。第一報で暴落して翌日に同じだけ戻す。冷静に考えたら、イギリスのEU離脱もトランプ勝利も、日本経済に何らかの悪影響を直接かつ急激に与えるわけじゃなし。
テレビニュースでは、「反トランプデモがNYやSF、LAなど全米規模で起こっている」と言っているが、果たして本当だろうか。ニューヨーク州もSF,LAのカリフォルニア州もヒラリーが勝った大都市だ。ヒラリー勝利の州でデモが起こるのは不思議じゃない。大統領選の州マップは面積の7割方がトランプ勝利の赤色だったけど、本当に「全米」でデモが起きてるのだろうか?
Brexitのときも、日本の報道機関は、保護主義、懐古主義に警鐘を鳴らすように「EU残留を訴えるロンドンなどの大都市部の若者層のデモ」をクローズアップして報道していた。まるでイギリス全土でデモが起きているかのように。イギリス国民の過半が離脱に投票したから離脱が決まったのに、投票結果が間違いとでも言わんばかりの報道のトーンに当時は違和感があった。
今回のトランプ勝利報道でも同じ匂いがする。勝った「多数派」の反応はさらっと流して、負けた「少数派」のデモが「全米」で起きているかのように伝える。違和感ありありだ。
日本の報道はアメリカの大都市(ヒラリー勝利州)の一部を切り取ったものにすぎない。現実の「全米」の反応は全く違うのではないか、そう思わずにいられない。
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